放射線科
男鹿みなと市民病院では、このたびマルチスライスCTを導入し稼動しておりますので、ご紹介いたします。CT検査とはX線を使って体の断面を撮影する検査です。新しいCT装置では検出器は16列で、このように検出器が多数あるCT装置をマルチスライスCTといいます。マルチスライスCTの利点をいくつかご紹介いたします。
受診者の皆様に一番大きな利点は、高速撮影が可能になったことです。例えば肺のCTを撮影した場合、従来のCTでは、通常一回10秒の息止めで画像を5枚ずつ撮影し、これを6回繰り返しており、全部で2分程度かかっていました。新しく設置されたマルチスライスCTではスキャンの位置を設定してからは、息止めは一回のみで終了します。その時間も約12秒程度です。短い時間で撮影を行えるため息止めの身体的負担が軽減します。息止めが難しい患者さんでもゆっくりと呼吸をしていただくことで、息を止めている撮影と同じような、動きによるブレの無い画像を撮影することが出来ます。
今までのCT装置では、病変部や病変部と疑わしい部分が小さい場合は検査する厚さを変えて設定していました。例えば前後を10mmの厚さで撮影し、病変部や病変部と疑わしい部分は1~5mmの厚さで撮影していました。現在設置されているマルチスライスCTでは1回の検査で撮影した範囲を全て0.625~1.25mmの薄い画像を作ることができます。1回の撮影で必要な画像を作成することができるため、立体的な3次元画像なども作成することができますので、検査結果をより分かりやすく説明することができます。
低被ばくの検査が可能になりました。人体を3次元に捉え、厚さに応じてX線を照射するので、今までのCT装置に比べ、最大40%のX線被ばくを低減できます。